「人生100年時代」と言われて久しいですが….
平均寿命はグラフの通り、右肩上がりで推移しています。毎年、毎年、ちょっとずつ寿命は延び続け、記録を塗り替えている格好です。
それと同時に男性の就業率も2020 年には、8割(60~64歳)に達しています。最新の情報ですと、65~69歳でも60.4%の方が働いていらっしゃいます。
60~64歳 | 65~69歳 | 70歳以上 | |
男性(2010年) | 70.6% | 46.8% | 19.3% |
男性(2015年) | 75.5% | 52.2% | 20.1% |
男性(2020年) | 82.6% | 60.0% | 25.4% |
注)2011年は、東日本大震災に伴う補充推計値
1シニア 60歳過ぎると、現場系の求人が目につく
大手転職サイトによれば、2020年のデータだと、82.6%もの男性が働いています。ただ、転職となると、デスクワーク系の求人が低下し、現場系の職種が目立つようになるのです。
例えば、タクシードライバーや居酒屋での調理師、宅配のドライバーなどの求人が多くなります。正社員なら、月収20~40万円前後というところでしょう。
ライターの日向咲嗣さんは、著書『58歳からのハローワーク活用術』(朝日新聞社刊)の中で、「有効求人倍率は常時1倍を超え、失業率は2%台までダウンするなど、雇用環境は劇的に改善されました。
しかし『だれでも就職できる』のは、数字だけの話。シニアの転職が厳しい実態は、変わっていません。
介護や建設業、運輸などの現場系の職種が求人倍率を押し上げていますが、事務系や管理職の求人倍率は依然として低いままです」と都内ハローワークの関係者の言葉を引用しながら、こう記しています。
また、ある転職サイトでは、事務職から現場系の仕事に転職した方の体験談が載っていた。「身体を適度に動かしながら、健康維持に役立っている」とおっしゃる方もいるようですが…
今回の記事は、転職するにあたって、現場系はイヤだ!と言る方にもご満足いただけるような内容に致しました。
2 ハローワークの「生涯現役支援窓口」とは?
「ハローワーク」には、2016年から「生涯現役支援窓口」が設置され、今では全国300カ所に設けられています。
65歳以上が主なターゲットで、65歳過ぎの私も、ふらりとハローワークに立ち寄ってみました。「生涯現役支援窓口」がどのように行われているか、知るためにです。
比較的空いているということで、簡単なインタビューの後、仕事の検索もしてくれ、ざっと10件ほどの求人が見つかったのです。
その日は、再度、ハローワークを訪れることを約束して、家路につきました。この「生涯現役支援窓口」はとても親しみやすいように思えました。
ハローワークに関しては、対面での職員とのやりとりは、インターネットでは得られない情報もあり、貴重な面談だとも思いました。
また、ハローワークは様々なサービスを行っていて、履歴書の添削のほか、模擬面接の実施などもその一部です。
さらに、就職のための各種セミナーがあって、スキルアップのための職業訓練コースなどが用意されています。
- 介護職員初任者研修
- 医療事務
- 簿記会計事務科
- OA簿記事務科
- 介護福祉士実務者研修科
- 就職をめざすパソコン事務
- よくわかる!ワープロ・表計算
- ビル管理技術科
- 電気設備技術科
など、60代からの就職に役立つ「研修」が豊富にそろっていいます。
また、応募する求人事業所に「紹介状」を持たせてくれる。なお、障害者向けの窓口も用意され、至れり尽くせりである。
3 70代なら、シルバー人材センターの技能講習も見逃せない
シルバー人材センターでは、60歳以上、月10くらいの仕事を希望する方に対して様々な技能習得の講座を用意している。
- 学童保育支援
- 介護支援入門
- 刈払機安全取扱
- 整技・剪定
- ハウスクリーニング
4 成功した転職とは!シニア産業カウンセラーの青木羊耳氏をご紹介しよう
略歴は以下の通り、
55歳の時、農林中央金庫を退職し、講師活動に入る。1996年労働大臣認定中級産業カウンセラー試験合格し、1997年~2000年まで(社)日本産業カウンセラーの常任理事を歴任した。
72歳の時に初めて著作を出版したという。以来、90歳の時点では、24,5冊は出版しているそうです。昨年、91歳で自宅のある横浜市から宇都宮市に講演のため押し車でやってきたそうです。
「人生100年時代。仕事で培ったキャリアだけで、一生暮らすのは難しい。退職・定年後のセカンドライフに生かせるキャリアを考えるきっかけになれば」とも話す。
この2時間あまりのYouTubeは、90歳の時に撮影されたものだが、疲れた様子もみせず、よどみなく話し続けている。体力はかなりあると見た。
そのYouTubeの中で「山を登る“こつ”とは、頂上を見ないで、5,6歩先を見て登ること!」人生を登山にたとえて、こうおっしゃる。
「あまり先を見ない方が、気持ちは疲れない」とも。青木さんは、とりあえず3カ月先までの目標をたて、そこにたどり着いたら、また新たに考えるようにしているそうだ。 毎日,8千歩を目標に歩っているという。愛妻に先立たれてから、一人暮らしの生活だが、朝7時に起き、夜は11時までには寝るという規則正しい生活を続けていらっしゃる。どうやらその生活パターンが健康のひけつのようです。
5 まとめ 60歳を超える男性の仕事の環境は整いつつある!
近未来的には、年金が2割くらい減額される可能性がある、と噂されている今日この頃。
ハローワークをはじめとして、官民あげて、高齢者の就業を熱心に取り組み始めた。人口減少はとどまることを知らず、60歳を超えたシニア世代の仕事の環境は少しずつ、整い始めたといっていいだろう。
また、仕事以外でもシルバー大学や一般の大学でも知的好奇心を満足させるような講座をシニア世代向けに聴講生として、門戸を開放している。
私の住む地方都市でも、国立大学が1000もの科目がありその中からお好きな講座を、一科目あたり、2万円で、聴講できる。
フルタイムで働きたくないが、社会とつながっていたいという向きには月10日くらい働く人向けのシルバー人材センターがある。 こうして、人生100年時代を迎える準備は整いつつあるといってもよいだろう。
また、2024年1月に新たな研究が.東京都健康長寿医療センターの藤原佳典副次長によって発表された。「東京都の中から無作為に抽出された65歳から84歳の高齢者6385人。3年半余り追跡しその後に要介護判定がなされたかどうかを調べた。
非就業の人の17%が要介護認定となったのに対し、フルタイム・パートタイムの就業者は6%にとどまっていた。」とまあ、仕事が介護されにくくする健康づくりの役立つとの結果も出た。このことは、後日、章を改めて書くことにする。