シニア 60 代、70代、80代からのスポーツ 体力保持と認知症予防に役立つ楽しい運動とは?

シニアとは、ビジネスの世界では、60歳以上の人をさします。働き続けたいと願うシニア世代が8割を超える中、実は、定年後の新しい仕事の大部分が、体力を必要とするモノが多いのです。

例えば、ハローワークの求人などは、60歳でみると清掃、警備員、タクシーの3職種が全体のほぼ3割を占めています。さらに65歳以上は、清掃と警備員の2種で、全体の4分の3近くを占める現実があるのです。 

多くのシニアたちにとって、定年後の職場では、体力は事実上の必須要件といっていいでしょう。

また、92歳の今でも、知的労働を続けていらっしゃる現役の方の中には、90歳の時点で1日8千歩も歩き、体力増強につとめていたと話すかたもいらっしゃいます。定年後の仕事でデスクワークにつくとしても、体力は必要なようです。

そう、でも、ご安心ください。我々日本人の体力は年々伸びています。

ここ20年間のスポーツ庁のデータによれは、シニア世代の体力は右肩上がりで推移しているのです。

高齢者(65~79歳)の体力・運動能力の推移
図3 高齢者の開眼片足立ち(左図)                     高齢者の6分間歩行
                     (右    図)
スポーツ庁「体力・運動能力調査」より

 

 

1 60歳からのスポーツ 60代 70代 80代

愛称「ねんりんピック(全国健康福祉祭)」は、60歳以上の人を中心とした全国のスポーツと文化の祭典です。ちなみに2024年の鳥取大会では、県内19市町で34種目が行われます。

そこでは、卓球、ソフトテニス、バウンドテニス ソフトボール、ゲートボール、ペタンクゴルフ、弓道、剣道、マラソン、水泳、オリエンテーリング、ラグビーフットボール、サッカー、ソフトバレーボール、なぎなた、ウォークラリー、太極拳、ダンススポーツ、囲碁、将棋など多岐にわたるスポーツの試合や文化活動が行われるのです。

参加者の中には80代、90代の方もいらっしゃっるようです。

そんな元気いっぱいのシニアたちの人気のスポーツは一体、どんなスポーツなのでしょうか?

実は、ウォーキングなのです。実際、シニア世代の6割の方が行っているのです。やはり手軽さが受けているのでしょうか?

加えて、60代は、スポーツクラブに通う人が多いのも特徴なのです。

J-Net21₋中小機構によれば、フィットネスクラブ会員の中で、最も多いのは60歳以上です。年々シニア世代は増加し、平成15年では、17.5%であったものが、平成26年には、30.3%となっています。

シニアたちはデイタイム割、シニア割、家族割などを使って賢くスポーツクラブを利用しているようです

ところで、一体私たち60代以上は、どれだけ運動あるいは歩行をすればよいのでしょうか?

 

2 60歳からの タキミカに学ぶスポーツ事始め

引用元:YouTube:タキミカチャンネル

 

5年間で体重は15㌔ほど落ちたとのこと。「絶対にあきらめないで、コツコツやれば、15㌔は落ちます」とキッパリ。

79歳でパーソナルトレーナーをつけ、87歳でインストラクターとして華々しくデビューしたのです。

90歳時点でのYouTubeでは、「これからも新しい事に挑戦していきたい」と力説していらした。最近、英語も習い始めたとおっしゃる。

90代で体にぴったりとしたピンクのフィットネスウエアーを身にまとって、ご自慢の筋力レーニングや柔軟体操のポーズを本やYouTubeの画面いっぱいに披露しています。

「年齢はだだの数字!パワーエイジング!」としょっちゅう掛け声をかける。

ミカさんのYouTube を見ていると、90代とは思えぬ、若々しいフィットネスの世界へ引きずりこまれてしまいます。「老い」とは無縁のタキミカ・ワールドです!

もちろん、現実はタキミカさんのような肉体にはならないにしても、91歳でプロのインストラクターとして活躍している姿は、シニア世代を大いに勇気づける存在であると思います。

(また、老婆心ながら、運動を本格的に始める前には、かかりつけのお医様にぜひともご相談をしてからにしてください—-石崎かおりより)

 

3 60歳からの心にも健康にもよいスポーツ

スポーツ庁によると、高齢者の人にとって、運動がもたらす効果は、

  1. 筋量・筋力の維持・転倒防止
  2. 認知症予防
  3. 食欲増進

などが期待されているのです。

でも、もっとシリアスなデータも…..

世界的な医学雑誌の The LANCET(上記グラフ参照)に掲載された論文によりますと、運動不足が原因で、日本では、1年に5万人もの方が亡くなっているのです。

 

適度な運動、スポーツは、ロコモ・フレイル状態はもとより、生活習慣病予防にも寄与するとのこと。

さて、上記の表に関連して、もう一つ画期的なデータがあります。それは、グループで行うスポーツの効用です。「男性ではゴルフ、女性では、ウォーキングのグループに参加している人では、主観的健康観、うつ、笑いの頻度の社会的心理的な健康状態がよいことが、確認された」と筑波大体育系、辻大士先生のレポートには記されてありました。(2019年発行のPress Release No:187-19-21より)

 

4 まとめ 60歳からの スポーツは認知症予防によく効く

最後に英国アルツハイマー病協会の研究によれば、「運動」は認知症予防にはもちろんのこと、発病後にも運動療法が効果的だそうです。

心身ともに良い効果が期待されている運動療法。もちろん、シニア世代の私も、一日5千歩程度のウォーキングは欠かせません。1年前からはじめ、心なしか健康になったような気がします。

後期高齢者になった私の友人も、最近筋トレのためジムに通いはじめました。彼女は「本を読んだりして調べた結果、認知症予防にもスポーツは効果的という結論に達したの」とはずんだ声で仰っていました。